投資情報-投資心理

2010年11月04日

この前は、「マーケットを確率で考えるトレードシステムの確立」についてお話ししましたが、確率で考えることがいかに難しいかについても考えてみたいと思います。

実は、人は「確実」ということに非常にこだわりを持っている場合が多いと言われています。これを「確実性効果」というそうです。つまり、人はある事象が起きる確率を主観的に重みづけて考えることが多いのです。特に、確率の極端な数値、確率が0%とか確率が100%に近づくと非常に敏感になるのです。可能性が不可能になるとか、可能性が確実になることに関しては非常に感応度が高いのです。

宣伝文句で「儲かる可能性がある」より、「確実に儲かる」といった方に非常に魅かれることからもこの「確実性効果」を読み取れると思います。もちろん、「確実に儲かる」ことなどないはずなのですが、もともと信じたいという欲求が強いので、「確実に儲かる」ことに魅かれてしまうのではないでしょうか。

しかし、本来は確率を50%から60%に上昇させるより、80%から90%に上昇させる方が確実に難しいのです。ましてや、確率を100%にすることは、まずもって不可能なはずです。特に、確率を90%から100%近くに上昇されるためのコストは並大抵ではないはずなのです。もちろん、例えば、ある病気で死ぬ確率が0%になるなど、人の生死を前提とする確率には人類はかなりのコストを払ってきたと思います。

しかし、人の生死までの問題ではない場合はすべての事象は確率で考える必要があるのではないでしょうか。100%や0%などの絶対を目指す努力をするくらいなら、その事象が起こる確率を前提として対応策を考える方がよほど有意義だと思われます。

特に、投資のような不確実性が前提の事象に関しては、確率で考えるということが非常に重要です。ただ、人は確実なものに常に魅かれるものだ、ということを根底にして確率を考えることは非常に意義のあることだと思います。

okasan_online at 21:54コメント(0) 

2010年10月22日

人は他人のリスクとリターンについては冷静に判断して結論を出すことができますが、自分に関わるリスクとリターンについては、特にリスクに過敏になる傾向があるようです。

中でも、生命やお金に関わるリスクについては、より過大に反応するように思われます。例えば、死に至るかもしれないある病気の死亡率が少ないうえ、非常に遠い地域で起こっていることであれば、その死亡率を冷静に認識できるはずです。一方、同じ死亡率だとしても、身近に起こっていることであれば、人はそのリスクについて過大に評価し、非常な危険性を感じるはずです。

このことは、お金=投資についても同じです。ある株式投資の過去のリスクとリターンがあったとして、それに対する戦略を考える場合は、そのリスクとリターンを冷静に判断して戦略を立てることができると思います。もちろん、過去のリスクとリターンが将来も必ず続くわけではないのですが、過去の数値を分析しどのように対応していたら良かったかの判断をすることはできると思います。

一方、すでにポジションを持っていた場合は毎日の株価の上下によって自分の損益が動くわけですから冷静な判断が難しくなります。リスクは一般的に数字上は株価の変動率=標準偏差として計測するのですが、トレーダーは自分のポジションに対して反対に動く(損をする)場合をリスクと判断してしまいます。本来、リスクとリターンは長期間で多くのトレード回数がある場合の戦略として考えることができるのですが、ポジションがある場合と無い場合のリスクを全く異なった形で認識してしまうのです。

つまり、リスクとリターンの関係はポジションを保有しているか否かによって、トレーダーの心理状態が異なる結果、その数字は異なってくるのです。このように心理状態により大きくリスクが異なるため、実際の戦略を実行するうえで、さまざまな障壁が存在することになります。リスクとリターンは計算から導き出せる数字だけでなく、トレーダーの感情によって変化することを認識してトレードを行う必要があるかもしれません。

okasan_online at 19:28コメント(0) 

2010年10月21日

一般的に「株式投資は余裕資金で行うべきである」という言葉を聞きます。これは、文字通り生活に必要のない資金で投資をすることを意味しているのですが、デイトレードで生計をたてているトレーダーには厳しい言葉となる場合もあるかもしれません。

しかし、投資資金が生活に直結していなければそれほど欲張ることもなくマーケットの動きを客観的にみることができるのではないでしょうか。
 
もし、投資資金に余裕がなければ勝ちトレードでさらに欲を出したり、負けトレードでは損失をみとめたくないことから相場が戻るまで含み損のポジションを保有したままにしてしまうといったことが起きやすくなります。どちらの行動もそのスタンスに一貫性がないことが大きな問題となる可能性があります。

本来マーケットは始めも終わりもありません。マーケットはただ価格を提供し続けているだけなのです。トレーダーにとっての始まりと終わりはエントリーとエグジットとなります。そして、このエントリーとエグジットのタイミングはトレーダー自身が自由に決めることができるものなのです。つまり、これらの決断をするのはトレーダー自身ですので、最も重要なことは、トレーダーの心の在り方といえるかもしれません。

トレーダーにとってエントリーは無限の利益の可能性に賭けていることから、心理的にはプラスの動機がメインとなります。一方、エグジットは貪欲さ、損失、失敗などマイナスの動機がメインとなる点で異なっているのかもしれません。

このように、トレードを行っている間、トレーダーにはさまざまな感情が渦巻くことになります。そうしたなかで、投資資金に余裕を持っているれば、このような感情に対してある程度冷静さを保つことができる部分において、トレードに有利に働く可能性があると思います。

トレーダーにとって、マーケットは味方でも敵でもありません。マーケットの動きに一喜一憂していては良い成績を残せる可能性は少なくなると思います。余裕資金で心に余裕をもって冷静に対応し、マーケットの流れにのる戦略が最もトレードの成績を上げる近道だと思われます。


okasan_online at 23:59コメント(0) 

2010年10月19日

株式投資には経験が非常に重要です。しかし、経験を過信した予測は実際の投資成果にマイナスとなることを認識する必要があるかもしれません。つまり、「経験がじゃまをする」ということです。実は、私たちは自分の知識を過大評価する場合があります。それは、知っていたことや知りえたかもしれないことを過大評価するからだと言われています。

実際、これから起こることを予測するのと、すでに起こったことを解説するのとでは大きな違いがあります。アナリストやストラテジストの解説を聞くと、理路整然と起こったことやその理由を説明してくれます。一方、予想に関しては全くないか、さまざまな条件のもとでの予想が多いと思います。

例えば、「為替が円高に振れなければ、株価は上昇トレンドを続ける可能性が高い」といったように、A→Bという因果関係が存在するという前提で、その前提条件が満たされれば、こうなる可能性が高いといった予測です。この予測には二つの不確定要素が入っています。一つは、円高になるかならないか、もう一つは、可能性が高い、ということです。結果的に上昇トレンドが続かなくても、円高となれば外れても仕方がありませんし、もともと、上昇トレンドも可能性の話です。さらに、このコメントでは期間が指定されていませんので、結果に対する言い訳はいくらでもできてしまいます。

株式市場のように不安定で複雑な場では、アナリストやストラテジストにも予測は難しいことは、投資家なら十分認識できていると思います。アナリストやストラテジストの予測が100%当たるなら、彼らはトレーダーになった方がよほど稼ぐことができるはずです。

このようなことが分かっているにも関わらず、私たちが予測に対して価値を見出している理由は、過去の経験による自分の知識を過大評価するからだそうです。前もって知っている情報があったのだから、すでに起こった出来事も予測できたのではないかと、考えているのではないでしょうか。これは、いわゆる後講釈=後知恵ということです。

本来、株式投資においては予測は不可能なはずです。しかし、人間=投資家は何らかの予測をし、もし何かが分かれば予測できるのではないかといった考えを持ちがちです。結果をみてからの後講釈が意味ないことを理解し、予測するのではなく、起こったことにどのように対応するかと、その行動をどのように実行するかに神経を注いだ方がパフォーマンスは上昇するのではないでしょうか。

okasan_online at 19:00コメント(0) 

2010年10月15日

多くの人たちにとって、損したために失ったものは、得したために得たものよりも大きいと言われます。このことを損失回避と言うそうです。つまり、1万円を失くした失望感を埋めるためには1万円以上、一般的には2万円以上は得をしないとその失望感に匹敵する満足感は得られないということです。

この損失回避という行動パターンは投資家にとっても非常に重要な考え方になります。

ある投資家がA社とB社の株を保有していたとします。A社は10%上昇していて、B社は10%下落していたとしましょう。このとき、有望なC社を投資対象に加えたいとします。ただ、資金には限りがあるので、その投資家はA社かB社のどちらかを売る必要があります。さて、あなたがこのような状況に遭遇した場合はどのように対応するでしょうか?

まず、冷静に考えてみましょう。これまでの情報ではA社とB社の将来性については分かりません。ただ、A社の株価は上昇しており、B社の株価は下落している事実は確かです。買い時期を同じとした場合、A社の株価はプラス評価され、B社の株価はマイナス評価されているのです。このことからだけでは分かりませんが、株価の結果としてはA社の評価の方が上となります。つまり、B社を売って、C社を買うのが現状では最良の選択となるはずです。

しかし、一般的な投資家は逆の行動をとる方が多いのです。A社は儲かっており、B社は損をしているのです。損失回避の行動パターンからは、少しでも儲かっているA社を売ってC社を買うのです。投資家は損をしているとリスクのとらえ方が変わってしまうようです。つまり、確実に損することを嫌がってリスクを負うことを避けようとするのです。結局、B社を売ることができなくなり、結果的に塩漬け銘柄ができてしまいます。B社の株を売るのは自分がその損失に耐えられなくなり、自暴自棄になってしまって売ることになります。その後、株式市場から撤退を余儀なくされる投資家が多いようです。

このようにならないためには、人間の考え方の根底に損失回避の考え方があることを認識し、その考え方にとらわれないように意識し、行動する必要があります。

「もし選択に迷ったら、自分にとってやりにくい方を選択した方が正解となる確率が高い」ということを肝に銘じておきましょう。

okasan_online at 19:30コメント(0) 

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