投資情報-テクニカル
2010年10月26日
ポートフォリオ理論については昨日も解説しました。本日はポートフォリオの分散投資について考えてみたいと思います。リスクを最小化し、リターンを最大化した場合のポートフォリオは結局インデックス投資に近づきます。
リターンはポートフォリオ全体の収益となりますが、リスクは市場関連リスクであるシステマティックリスクと証券固有のリスクであるノンシステマティックリスクに分かれます。システマチックリスクは市場関連リスクですので、株式投資をしている場合は避けることができません。このことは、マーケットの状況が上昇(強気)のときや下降(弱気)のときは、どの銘柄をポートフォリオに入れても、そのマーケットの影響をうけることから明白な事実です。
一方、ノンシステマチックリスクは分散投資によりリスク低減を図ることができます。このため、多くのファンドマネージャーはリスクを軽減させるために分散投資を行っています。銘柄が少なければその勝ち負けは特定の銘柄に依存してしまいます。一方、複数銘柄に投資すればその中で逆に動く銘柄もあることから、うまくいけばトータルで勝つ可能性も出てきます。安心のためには分散投資は不可欠だといえます。
分散投資には利点もあれば欠点もあります。
分散投資の利点
・一つの銘柄に集中投資しないので、リスク回避できる
・値動きが緩やかになるので、突発的な物事に対処できる
分散投資の欠点
・一つの銘柄に集中投資しないので、利益が薄い
・集中投資しないのでその投資のスペシャリストになるのに時間がかかる
この最後の投資のスペシャリストになるのに時間がかかるということが、実は大きな問題かもしれません。つまり、分散投資は中長期で安定的なリターンが見込める半面、短期的な収益という面では見劣りする場合が多いのです。分散投資は中長期保有を前提としているために、短期的なトレードには合わない面があることも事実です。実際、勝つトレーダーは分散投資をしない場合もあるようです。
分散投資を行うよりもエントリーチャンスを見つけ、自分の最も効率良い資金配分でエントリーし、利食いを伸ばしてロスカットをしっかりすれば、分散投資とは異なるリスクとリターンを得ることができると思われます。実は短期トレードは銘柄分散でリスクを減らすのではなく、投資機会を増やすことによって、リスクを減らしていることになると考えられます。
2010年10月06日
2010年10月01日
一般的な投資家は逆張り派が多いようです。株価の基本は安く買って高く売ることです。もちろんこれができれば投資はすべて儲かることになります。だからこそ、ほとんどのトレーダーは下がっているときに買って、上がっているときに売れば良いと考えるわけです。従って、株価が下がっているときに買いたくなるのは同然です。安く買えるわけですから、その後戻りさえすれば、安く買って高く売ることができるわけです。
しかし、株価にはトレンドがあり、一度そのトレンドが発生すると、そのトレンドが長く続く傾向があるのです。下がっているということは、下降トレンドが発生しているのであり、本来の株価の傾向からするとその後も下がり続ける可能性の方が高いことになります。つまり、逆張りは株価の流れ=トレンドに逆らう投資手法なのです。下降トレンドが発生している場合、そのトレンドが変わる確率は低いことを認識し、ロスカットなどの厳格な資金管理を行わなければ、一発で大きな損失を出してしまう危険性があるのです。
一方、順張りは株価の流れ=トレンドに逆らわない投資手法なので実は儲かる確率が上がるのです。しかし、上昇トレンドで買うということは、高く買ってさらに高いところで売るという戦略であり、株式投資の基本である安く買って高く売ることとは心理的に異なる投資手法なのです。一般的な感覚からは安く買って高く売ることは理解できるのですが、高く買ってさらに高いところで売ることは、かなりリスクを伴うように感じてしまうのです。
株価のトレンドを見極めて、そのトレンドが発生してから順張りで投資する方が実はリスクが少ないことを認識することによって投資力は向上するはずです。もちろん、この場合もリスクが少ないといったレベルですので、ロスカットを中心に資金管理を徹底する必要があると思います。
また、デイトレードでは1日にそれほど多くのチャンスがあるわけではないので、実は順張りも逆張りも自分のトレードシステムに取り入れた方が良いと思います。逆張りでもロスカットをしっかりすれば、損失を限定し利益を伸ばすことは十分に可能です。順張りのブレークアウト戦略、逆張りのリバーサル戦略をうまく利用してこそ、安定的に投資成果を上げることができるようになると思います。
2010年09月28日
チャートのシグナルはさまざまな形で認識できます。トレードにおいてチャートのシグナルを確実につかむことは非常に重要です。今後の株価の動きの変化を見逃さないためにはこのようなチャートの変化を何で見るのかといったポイントを挙げておきたいと思います。
ポイント1 ローソク足
ローソク足の形や色(陽線か陰線か)にまず注目すべきです。ローソク足の形はそれ1本だけでも、数本をかたまりとした形もさまざまなものがあります。ローソク足の動きが上昇局面なのか、下降局面にでる形なのか、また持ち合い局面なのか、天井や底を示しているのか、さらにその形が出たのは高値圏なのか、安値圏で出たのかによっても、今後の変化が異なる可能性が大きいと思われます。
ポイント2 出来高
出来高が増加しているのか、減少しているのか、出来高の増加と株価の動きの連動性はどうかなども見る必要があります。また、ある一定の期間と価格ごとの出来高を累計した価格帯別出来高は出来高が多いところはレジスタンスとなる可能性が強く、出来高が少ないところは比較的値が動きやすくなることが予想されます。
ポイント3 移動平均線
中期移動平均線や中長期移動平均線の傾きはどのようになっているか、短期線と中期線がゴールデンクロスやデッドクロスをしていないか。また、移動平均線に対して株価がどのように動いているか、移動平均線で跳ね返されたり、割り込んだりしているか。
ポイント4 トレンドライン
株価がトレンドライン(水平トレンドと斜めラインの場合あり)に対してどのように動いているか、トレンドラインで跳ね返されたり、割り込んだりしているか。
ポイント5 値幅
株価の位置は底値や天井からどの位のところにあるのか。レンジの値幅がどの程度であり、その値幅に対して現状の株価はどの位のところにあるのか。過去の上昇幅や下降幅に対して今回の値幅はどのようなレベルか。
ポイント6 オシレーター指標
RSIやストキャスティクスなどのオシレーター指標は売られすぎや買われすぎの局面か。また、その局面から、戻しているところか、その局面に入ったばかりか。
以上のようなポイントを総合的に判断し、チャートの変化を見逃さないようにして、投資チャンスを捉えたいものです。
2010年09月14日
今回は不規則時系列系の逆ウォッチ曲線について解説します。逆ウォッチ曲線は株価と出来高の関係を2次元でグラフ上にプロットしたものです。ある銘柄が現在、相場サイクルのなかでどのレベルにあるのかを折れ線グラフによって一目で見られるように工夫されています。「由来」と「概要」に関しては以前ご紹介した「テクニカルチャート解説」をご覧ください。右の「リンク集」からご覧いただけます
チャートの書き方は、株価を縦軸、出来高を横軸にとって、順番にラインを引いていくだけです。日々の動きでプロットするとラインが細かく複雑になって、何だか分からなくなる場合が多くなります。そこで株価と出来高をともに移動平均を計算し、それをプロットすることによって、ラインを滑らかにするのです。一般的なパラメータとしては25日を利用することが多いようです。岡三ネットトレーダーの初期パラメータも25日となっています。
一般的に、出来高の増加は株価上昇の動きを伴うという特徴があるといわれています。これまで「売り」であった株価も出来高が増加し始めると、逆ウォッチ曲線のチャートは右に移動し始めます。それが株価の上昇を伴うことになれば、「買い」のシグナルと考えるわけです。
一方、株価の上昇が伸び悩みだすと同時に、出来高が減少を始めたら、逆に「売り」シグナルと捉えます。
逆ウォッチ曲線は、相場における出来高と値動きの関係を示すものですが、実際の売買においては、買い場が近いのか、それとも売り場が近いのかを判断するのに役立つといわれています。
出来高は株価の動きに先行するといわれています。逆ウォッチ曲線が時計と逆回りに動くという意味はこの株価と出来高の動きから理解することができます。つまり、相場が「上昇を始めてから天井を付け、そこで下落に転じて底を打つ」までを1サイクルとすれば、出来高も「徐々に増加して、天井近辺をピークにスッと細り始め、底値付近では閑散商状になっている」という流れが、時計と逆にグラフを描かせるというわけです。
この流れを以下にまとめておきます。
パターン 相場 出来高 スタンス
1 底ばい 増加 買い場
2 上昇開始 増加 買い
3 上昇継続 変化なし まだ、買い
4 上昇継続 減少に転じる 見送りor売り
5 伸び悩み 減少 売り場
6 下落開始 減少 売り
7 下落継続 変化なし まだ、売り
8 下落継続 増加に転じる 見送りor買い
もう少し分かりやすい図表を掲載しておきます。
特に、注目すべきパターンは2と6です。完全に図のようなパターンが現れる場合は少ないと思いますが、2と6のパターンは比較的見分けが付くといわれていますので要注目です。
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