過去のリスクと将来のリスク

2010年10月25日

ポートフォリオ理論によれば、リターンを最大にするとともにリスクを最小にすることが正しい投資です。リスクを最小にするためには、全体の変動を抑える必要があるのですが、そのためには他の投資商品との関連性を相関係数などで分析し、さまざまな組み合わせ=ポートフォリオをつくることが最も近道だといわれています。

このポートフォリオ理論において、リターンは投資収益率、リスクは標準偏差で図るのが一般的です。株式という投資商品はリターンの予測が非常に難しいことから、ポートフォリオでは安定的なリターンを得るためにリスクは将来においてもあまり変化しないという前提でポートフォリオ理論はできています。もちろん、各投資商品間の関係は将来もある程度変わらないとの前提を置くことはできますが、将来のリスクが変わらないという前提はかなり無理があります。

例えば、ボリンジャーバンドはこの標準偏差を利用したテクニカル分析ですが、このボリンジャーバンドのバンド幅はテクニカル分析チャートをみれば大きく変化していることが分かります。つまり、標準偏差=リスクは実は大きく変動しているのです。さらに、リスクとリターンは計算する期間によっても大きく異なります。投資収益率は分足、日足、週足、月足で異なりますし、計算する期間を日足で6カ月、1年、2年など計測期間によっても大きく異なるのです。

結局、ポートフォリオにおいても、過去のデータをもとにした分析によって、将来のリターンとリスクが予測できるわけではありません。もちろん、リターンよりもリスクの方が継続する可能性が高く、リスクよりも相関係数(株式ならば銘柄間において上下に変動する関連性)の方が継続する可能性が高いことは事実だと思います。しかし、そうはいっても過去のリスクは過去の数字であり、将来のリスクを約束しているわけではありません。

もうひとつ、過去のファンダメンタルズが将来的も続くといった考え方が、投資のリスクとなることに注意する必要があります。株価の将来展望を考える場合、投資家はその企業が過去に示した特性を過大に評価する場合が多いと思われます。一般的な優良企業は今後も成長する優良株であるとの認識から、将来的な投資リスクが少ないだろうと判断してしまうのです。優良企業は今後も成長する可能性があることから投資リスクも少ないと考えがちです。しかし、これも過去のリスクが少ないから、将来のリスクも少ないとの考え方に基づいているものです。つまり、過去のリスクと将来のリスクが同じではないことの一例だと思います。

okasan_online at 20:12コメント(0) 
投資情報-総合 

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