「行動経済学」と「投資心理」

2010年07月07日

人はいったん所有するとその所有物に対して実際の価値以上にこだわってしまう傾向(いわゆる「保有効果」)があるそうです。人は「損したくない」という気持ちと「得をしたい」という気持ちがあった場合、損を避けたいという気持ちのほうが強く現れるといわれ、これを「損失回避性」といいます。
例えば、保有株が下落している場合、その後さらに値下がりして損する可能性もありますが、逆に値上がりして儲かる可能性もあります。このような場合、通常の投資家は「今売ったら損が確定してしまうので、その損失は受け入れ難いから、値上がりするまで持っていよう」と思うことが普通なのです。しかし、本当は「もしこの株を持っていないとして、今この株をこの値段で買うか考えてみよう」と思うべきなのですが、損を確定したくないと考えるために、合理的な判断とは関係なく保有し続けることが多いのです。

このような「損失回避性」と「保有効果」とうい考え方は「行動経済学」の中の重要な概念となります。すなわち、「行動経済学」とは、「経済学」と「心理学」の融合で生まれた、感情、直感、記憶などの心の働きを重視し、現実に即した経済学を再構築しようとする新しい学問といえます。

この「行動経済学」で感情がもっとも重要だといわれています。私たちの選択や判断には感情の作用が大きく影響しています。結局、私たちは合理的判断と感情的な判断とのバランスをとり、物事を判断しています。どうして、感情が重要かというと、人間の判断の根底には「満足」を最大化しようとする性質があるからです。

人間にとっての「満足」には物質からもたらされる「物欲」と感情からもたらされる「快楽」があり、人間はこの二つの効用を最大化するという行動を取ると思われます。つまり、人は感情を含めたトータルな合理性を求めており、感情は私たちの意思決定に重要な役割を担っていることになります。

株式投資において、何度も「投資心理」を解説してきた意味は、この「行動経済学」と大きく関係があると思われます。「行動経済学」は「経済学」と「心理学」の融合で生まれた学問ですが、最近は「神経学」や「社会学」、「進化生物学」などさまざまな学問との融合が始まっているそうです。今後は「投資心理」だけでなく、「投資神経」や「投資進化生物」、「投資社会」などの考えが必要となるかもしれません。しかし、現状ではまだ「投資心理」以外は影も形もない分野ではありますが...

okasan_online at 18:35コメント(0) 
投資情報-投資心理 

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