2010年05月07日

今回はトレンド系ボリンジャーバンドについて解説します。このテクニカル分析はトレンド系の中でも有名なものですので、多くの人が見ている点でも重要な指標になります。「由来」と「概要」に関しては前回ご紹介した「テクニカルチャート解説」をご覧ください。右の「リンク集」からご覧いただけます。

ポイントは標準偏差という概念です。

ここからは、統計を知っている人は読み飛ばしてください。

(分かりやすい統計の知識)
例えば、以下のような株価が時系列であるとします。
(1)100円→120円→100円→80円→100円
この平均は「合計÷個数=500/5=100円」になります。
また、
(2)100円→150円→100円→50円→100円
この平均も「500/5=100円」と同じです。

しかし、この二つの株価は明らかに違います。(1)より(2)の方が変動が大きいのです。そこで、各株価の平均からの乖離(距離)を計算してその違いを明らかにします。
(1){(100円-100円)+(120円-100円)+(100円-100円)+(100円-80円)+(100円-100円)}/5=8円
(2){(100円-100円)+(150円-100円)+(100円-100円)+(100円-50円)+(100円-100円)}/5=20円}

となり、(2)は(1)より2.5倍も変動が大きいことがわかります。これが標準偏差です。実際は数学の計算式が一般的になる(計算がしやすい)ので、乖離を計算するときに個々のデータから平均を引いた値を二乗をして平均を計算し、平方根(√)を使い標準偏差を計算します。最初の計算では、平均よりも大きいデータは良いのですが、小さいデータはマイナスとなってしまうので合計すると正確な乖離(距離)がでないのです。二乗すればマイナスはプラスになりますので合計できます。その後、√すれば、個々のデータと同じ尺度で比較できるのです。BlogPaint

つまり、「株価の変動が大きければ標準偏差が大きい」ということは、グラフ上には平均から標準偏差(σであらわす)が大きい場合は「-σ~平均~+σ」の幅が広くなり小さい場合はその幅が狭くなるのです。
(ここまで)

さらに、この株価データが正規分布(平均値の付近に集積するようなデータの分布を表した連続的な変数に関する確率分布=受験者全員試験の得点など)に従うとの仮定に基づくと、

「移動平均±σ」内に株価が収まる確率は約68%
「移動平均±2σ」内に株価が収まる確率は約95.4%
「移動平均±3σ」内に株価が収まる確率は約99.7%

となります。つまり、標準偏差の2倍を上下で超える確率は4.6%しかないということです。このことから、二つの投資判断ができます。

(1)ほとんど起こらないことが起きたのだから、この先の株価は少なくとも平均までは戻る可能性が高い。

(2)ほとんど起こらないことが起きたのだから、今回は株価は全く違うステージに入ったかもしれないので、水準を大きく変える可能性がある。

(1)は「逆張り」投資(2)は「順張り」投資になります。また、ボリンジャーバンドをエントリーポイントとしてだけではなく、売却(売りエントリーの場合は買い戻し)ポイントとして利用する方法(例えば3σにタッチしたら取りあえず売却する)もあります。

ご注意)画面上に表示された画像や動画に表示される個別銘柄は操作の説明上表示しているものであり、これらの銘柄の売買をいっさい推奨するものではありません。

BlogPaint



「岡三ネットトレーダー」では平均と標準偏差を計算する期間(パラメータ)を自由に変更できます。グラフ上でパラメーターを連続的に変更すると、ボリンジャーバンドの変化がよく分かるので、お試しください。また、基準線の表示非表示、1σ、2σ、3σの表示非表示も個々にできるようになっています。
さらに、売買サインとして「下値を上抜けまたは上値を下抜け」=「逆張り」の表示がグラフの上に出てきます。パラメータやσ(Deviation)を変更することによって売買サインも変化しますので参考にしてください。日足データで、パラメータ10の時、Deviation1の場合はだましが多くなりますが、Deviation3の場合は売買サインがほとんど出ないので、Deviation2が一番使い勝手がよさそうです。バンド幅が小さい局面からどちらかに大きく動き始めたときはトレンドをもっている場合が多く「順張り」が成功しやすいという見方もあります
「分析チャート」を表示しリンクさせておいて、「株価ボード」で選択すれば、株価チャートを連続して見ることができるので、まずたくさんのボリンジャーバンドを見ることをおすすめします。たくさんみれば何かがみえてくるはずです。



okasan_online at 12:00コメント(0) 
投資情報-テクニカル | 岡三ネットトレーダー チャート

2010年05月06日

GW中にネット上で話題となった、自己啓発本やTwitterで有名な「K女史」と巨大掲示板の管理人「H氏」の対談をYoutubeで見ました。議論のテーマとなったのは「インターネットの匿名性」、「若者の起業促進」、「国民幸福度」についてでした。内容の詳細はインターネットで検索すれば出てくると思います。全ての内容に関してほとんど議論がかみ合わないので、「K女史」が自分の価値観の押しつけているような印象に見えました。その後のネット上のコメントではも「K女史」に対する批判的なコメントが多かったようです。

実は、私はファンドマネージャー時代に彼女と面談をしたことがあるのですが、そのときの印象は「何でも知っている聡明な方」という感じでした。アナリストという職業上、自分の考えを主張することは重要なことなので、それほど悪い印象はありませんでした。その後のブログで「発言の意図を今一つ汲み取ることができず、そのあと議論が迷走してしまった感があります」「私の反省としては、限られた時間の中で何とか与えられたテーマを消化しようとしすぎて...」とコメントされているところからも、うなずけます。

一方、「H氏」のコメントや考えはまさしくその通りなのですが、公共の放送を使ってあたりまえの本音のみを発言しても放送価値は低いのかも知れません。「H氏」と女性アナウンサーが「国民幸福度」のテーマで会話をしていた中で、アナウンサーが「結婚出産後に職場に戻れるかどうかが不安」といっていたのですが、「H氏」は「専業主婦の方が楽で良いのでは?」「何も無理して働かなくても食べていけるなら遊んでいた方が幸福なのでは?」といっていたことが気になりました。

「K女史」は「自分を磨いてがんばろう!」ですが、「H氏」は「食べていけるのなら遊んでいた方が幸せ」という考えなので、かみ合うはずはありません。私の考えはどちらでもなく、頑張りたい人は頑張れば良いし、頑張りたくない人は別に頑張らなくても良いと思います。ただ、人は興味のあることに関しては想像以上の力を発揮すると思いますので、仕事でも、趣味でも、投資(金儲け)でも興味があれば真剣にやったほうが良いと思っているだけです。特に、生活のためにいやな仕事を続けている人も多いと思いますが、そのような人の幸福度はかなり低いような気がします。

また、とあるブログで今回の対談を「無知の知」だといっている人がいました。「K女史」の基本構造は「あなたが知らないことを、私は知っている」ということであり、知の量の集積圧力で他者を圧倒するのだそうです。一方、「H氏」の知の有り様は「あなたが知らないことは、私も知らない」、さらに「私は知らないということを知っている、あなたも知らないんでしょ?」というカタチだそうです。

「無知の知」は最も知恵のあるソクラテス「自分だけが「自分は何も知らない」ということを自覚しており、その自覚のために他の無自覚な人々に比べて優れていのだ」と考えた、とされることから来ているようです。

言い得て妙だと思いますが、もう一つ踏み込んで「私は知らないから、申し訳ないが教えてください」といえるかどうかがもっと重要だと思います。特に、職場でそれなりの経験と年数を積んだ人は他人に聞けないので、素直に聞けることは非常に重要です。

ただ、最近はインターネットの進化によりネット上でかなりのことが調べられるようになっています。今なら、まずネットで調べてから、さらに上の質問をすれば質問された人も時間を無駄にすることがありません。まず自分で調べて、考えて、それで質問することは非常に重要です。ただ、その課程でもポイントとなることがありますので、そのポイントに関しては先人や知恵者に教えたもらう方が早道になる場合が多いと思います。そうした意味で、当ブログは投資の分野における道しるべになれば幸いです。しかし、かく言う私も日々「無知の知」を認識しなければならないことは自分への戒めとして肝に命じておきます



okasan_online at 18:00コメント(0) 
投資情報-投資心理 

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プロフィール
石黒 洋一(いしぐろ よういち)
岡三オンライン証券(株)
投資情報部 次長

石黒洋一

【経歴】
1993年早稲田大学社会科学部卒業後、城南信用金庫、もしもしホットライン(現リライアコミュニケーション)を経て、2006年に岡三オンライン証券入社。

売買データや株価データ等を活用し、個人投資家の投資動向を絡めた独自の投資情報を発信。
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